SNSやブログなどWeb上で文章を発信する機会が増えている中、誰にとってもわかりやすく伝わりやすい文章を書くということは、私たちにとって非常に身近で重要な課題となっています。
誰にでも理解できる文章を書く上で参考になるのが、諸外国政府が作成し公開している「スタイルガイド」です。政府が公開するスタイルガイドとは、政府が情報発信をするWebサイトやデジタルサービスを適用対象とし、文法や表記、言葉遣いなど文章の書き方についての規約をまとめたものです。スタイルガイドを適用してWebコンテンツを作ることで、読みやすさに十分配慮した文章を書くことができます。加えて、文章を推敲する時間の短縮や、複数のWebサイトやアプリで一貫したコンテンツを提供することにもつながります。
AppleやGoogleなどの民間企業も独自のスタイルガイドを作成し公開していますが、政府が公開するスタイルガイドがそれらと異なるのは、特定のターゲットに向けてではなく、全国民を対象としたコンテンツのためのスタイルガイドであるという点です。政府はあらゆる国民に向けて平等に情報を発信し、行政サービスをわかりやすい形で提供する必要があります。そのため、各国の政府が公開するスタイルガイドでは共通して「誰もが簡単に理解できるコンテンツ」でなければならないということが強調されています。
本記事では様々あるスタイルガイドの中でもイギリス政府、オーストラリア政府、カナダ政府が公開しているスタイルガイドを参照し、誰にとってもわかりやすく伝わりやすい文章を書く方法についてまとめました。3つすべてのスタイルガイドで共通して挙げられている項目を2点 、すべてには共通して載っていないけれどわかりやすい文章を書く上で重要な項目を7点ご紹介します。
イギリス政府のスタイルガイド
https://www.gov.uk/topic/government-digital-guidance/content-publishing
オーストラリア政府のスタイルガイド
https://www.stylemanual.gov.au
カナダ政府のスタイルガイド
https://www.canada.ca/en/treasury-board-secretariat/services/government-communications/canada-content-style-guide.html#wp5-3
政府が公開するスタイルガイドはどれも、「誰もが簡単に理解できるコンテンツを作る」ということを全体を通じて強調しています。全国民に向けてコンテンツを発信するということは、障がいの有無や身体能力、認知能力などによらず様々なニーズを持った読み手を対象とすることであり、誰もが平等に情報やサービスにアクセスできるようにする必要があるためです。このように年齢や身体的な条件に関わらずどのような状況にある人でもコンテンツを利用できる状態を「アクセシビリティ」と言い、今回紹介しているすべてのスタイルガイドでその重要性が説明されています。
また、それぞれのスタイルガイドはWCAG (Web Content Accessibility Guidelinesの略で、Webコンテンツをよりアクセシブルにするための推奨事項を網羅したガイドライン)を提示し、それを用いてアクセシビリティを担保することを要求しています。WCAGはWebアクセシビリティの土台として以下のような4原則とそれらに基づく12のガイドラインを定めています。
①知覚可能:情報及びユーザインタフェースコンポーネントは、利用者が知覚できる方法で利用者に提示可能でなければならない。
②操作可能:ユーザインタフェースコンポーネント及びナビゲーションは操作可能でなければならない。
③理解可能:情報及びユーザインタフェースの操作は理解可能でなければならない。
④堅牢 (robust):コンテンツは、支援技術を含む様々なユーザエージェントが確実に解釈できるように十分に堅牢 (robust) でなければならない。
参照:https://waic.jp/docs/WCAG20/Overview.html
WCAGやスタイルガイドのアクセシビリティ規定に従うことにより、身体障がいや認知障がいを持つ人を含む幅広い人々が平等にコンテンツにアクセスできるようになります。そして、アクセシビリティの対象となるのは身体障がいや認知障がいを持つ人々だけではありません。環境が一時的に変化することによって誰もがアクセシビリティの対象になり得るのです。そのため、アクセシビリティを考慮してコンテンツを作ることは特別な対応なのではなく、すべての人に利益をもたらす必要不可欠な取り組みです。
アクセシビリティ要件を満たす方法として特に基本となるのが、誰にとってもわかりやすい平易な文章を書くということです。わかりやすい文章を書くための規定はスタイルガイドの大部分を占めており、以下の2点に分類することができます。
①文章の内容自体を検討し、平易な文章を作る
②文章のレイアウトや構成を工夫し、文章を構造化する
これらについて、すべてのスタイルガイドに載っている方法をご紹介します。
わかりやすい文章を書くときの目安として、イギリス政府のスタイルガイドには「9歳の読書年齢に向けて」、オーストラリア政府のスタイルガイドには「読書レベル2(7年生相当)に向けて」書くようにとの指示があります。これは、幅広い読者層に向けてコンテンツを作る場合、識字力が低い人のレベルに合わせて文章を書くことは識字力の高い人にとってもプラスに作用し、すべての人にとってのわかりやすさにつながるという理論に基づいています。
平易な文章を書くための方法は、さらに<どのような言葉を使うか>と<どのように文章を作るか>に分けることができ、スタイルガイドにはそれぞれ以下のようなルールが紹介されています。
<どのような言葉を使うか>
・珍しい言葉、スラング、聞きなれない専門用語、言い回し表現は使わず、わかりやすく馴染みのある言葉を選ぶ
・読み手に馴染みがない専門用語や略語は、初出で意味を説明した上で用いる
・長い単語よりも短い単語を選ぶ
・複数の意味を持つ単語は明確に意味がわかるようにする
・動詞から形成される名詞の使用は避け、必要な動作は動詞で表現する
ほかにも、大文字・小文字、日付、数字、通貨などの表記をどのような形で統一するかがそれぞれのスタイルガイドで規定されています。
<どのように文章を作るか>
・主語・動詞・目的語のシンプルな形で構成された簡潔な文章を書く
・指示語を使わない
・二重否定を避ける
・能動態にする
・肯定形にする
同じ意味の文章でも、文章の構成やレイアウトを工夫することでよりわかりやすい文章になります。人はWebで文章を読むとき、文章の要点や大まかな意味を速く読む「スキミング」や必要な情報のみを探し出す「スキャニング」を行います。そのような読み方を踏まえ、スタイルガイドでは、読み手がいち早く必要な情報に辿り着き簡単に理解できるようにするための文章の構造化の方法を以下のように挙げています。
<タイトル>
・コンテンツの内容を短く明確に表現したタイトルをつける
・他のサイトで使用されていない唯一無二のタイトルをつける
・ユーザーが検索時に用いる馴染みのあるキーワードを含める
<見出し>
・見出しレベル (小見出し) を使い分けてコンテンツを分割する
・見出しの下にくる内容をキーワードを用いて短く明確に示す
<リスト>
・長い文章は箇条書きまたは番号付きリストを使用して情報を整理する
・すべてのリスト項目は、同じ文法構造になるように書く
<リンク>
・適切な文脈で情報やタスクを直接サポートするための有用なリンクを用いる
・リンクテキストには、「ここをクリック」や「詳細はこちら」などではなく、クリックすると何ができるのかを説明的な言葉を使って記述する
・同じリンクテキストを異なる場所へのリンクに使用しない
<表>
・各セルの値が列や行のヘッダーに関連していることを確認する
・表にはその中の情報を説明する明確なタイトルを付ける
・できるだけシンプルな構造にする
・色やテクスチャを使って意味を持たせることを避ける
<文章構成>
・「逆ピラミッド構造」を用い、重要度が高い情報から詳細な情報へと展開する
人が文章を読むときの習性に基づいて文章の構造を工夫することで、同じ内容の文章でも読みやすさが格段に改善されます。デバイスのサイズによっても人の文章の読み方や文章のレイアウトが変わってくるので、コンテンツ公開前に様々なデバイスでチェックして構成を決める必要があるでしょう。
続いて、同じくすべてのスタイルガイドで共通して強調されているのが、包括的な言語(Inclusive Language)を用いることです。包括的な言語とは、ジェンダーや障がい、人種、民族、年齢、経済的地位などあらゆる要素における多様性を意識し、誰も差別せず、誰にも疎外感を与えない表現を意味します。
多様性に配慮して適切な表現を選ぶことは、アクセシビリティと同様あらゆるユーザーに向けて中立で平等なコンテンツを作る上で重要です。例えばオーストラリア政府のスタイルガイドで包括的な表現に留意すべきものとして挙げられているのは、以下のような表現です。
<ジェンダー>
例)
・"policeman"や"actress"のような性別に特化した職種名は避け、"police officer"や"actor"のように性別を問わない名称を用いる。
・対象となる人の好む代名詞が明確でない場合や不特定の人を指す場合は、"he"や"she"ではなく性別を問わない代名詞theyを使う。
<年齢>
例)
・"old people"は失礼な表現なので替わりに"older people"を、"youths"は男性の若者のみを指す場合があるので替わりに"young people"や"youth"を用いる。
・学校に通う生徒を指すとき、特に高等教育機関の学生には様々な年齢の人がいるため、年齢が関係する場合を除き、年齢ではなく、"high-school students" や"postgraduate student"のような学習レベルで表現する。
<文化・民族>
例)
・一部のアジア圏では苗字を先に書くといったように氏名の表記には地域差があるため、"first name"や"forename"ではなく"given name"や"family name"を用いる。
・人の写真やイラストを用いる場合は、民族や文化の多様性を反映させる。
<障がい>
例)
・"the disabled"や"disabled people"、"blind person"など は障がいをその人を定義する形容詞として用いた表現であるため、その人自身に焦点を当てた表現である"people with disabilities"や"person who is blind"を用いる。
何気なく選択した言葉やコンテンツに偏見や排除の意味が含まれていれば、その意識がなくてもそれが書き手の思想と捉えられてしまう可能性があります。以前は一般的に使われていた言葉が問題視されるようになるなど、社会の変化に応じて言葉に対する見方も変わっていくため、包括的表現について知識としてキャッチアップしていくことが大切です。
次に、3つのスタイルガイドすべてには共通して書かれていないものの、わかりやすい文章を書く上で重要な項目について、【コンテンツを作る準備をする】【コンテンツを作る】【コンテンツを見直す】の3つのフェーズに分けてご紹介します。
イギリス政府とオーストラリア政府のスタイルガイドは、コンテンツを作る上でユーザー調査を行うことの重要性を説明しています。ユーザー調査の目的は、どんなユーザーがいるのか、そしてユーザーのニーズ、行動、動機を理解し、より役立つコンテンツを作ることです。ユーザー調査には、以下のような2種類があります。
<質的調査>
「Why(人々の根本的なニーズ、動機、達成しようとしている目標)」、「What(人々が実際に行うこと)」、そして設計されたものの使いやすさに焦点を当て、ユーザーのニーズや行動を深く洞察します。具体的な方法として、インタビュー、フィードバック、ユーザビリティテスト、標本調査、フィールド調査、ワークショップなどがあります。
<量的調査>
Webサイト解析を行い、ユーザーの検索キーワードやトピックを特定します。また、掲示板やソーシャルメディアを調べ、人々が困っていることや普段使用している言葉を調べます。これによりユーザーにとって馴染みのあるわかりやすい言葉選びが可能になり、またSEOに効果的なキーワードを文章内に含めることができます。
ユーザーリサーチを行う際に特に注意しなければならないのが、包括的な調査を行うということです。障がいを持つ人々を含め様々なニーズや能力を持つユーザーを調査対象とし、調査の実施においてもユーザーの様々な状況に配慮をする必要があります。包括的な調査を行うことで前述のアクセシビリティ要件を満たすことができ、すべてのユーザーにとって使いやすいコンテンツを設計するのに役立ちます。
オーストラリア政府とカナダ政府のスタイルガイドでは、コンテンツ全体の文章のトーンとボイスを決めて統一することを薦めています。
トーンとは、語り口調のことを指し、伝える内容や状況や相手によって変化します。それらに応じて言葉の選択、文法、人称、フォーマル度合い(フォーマルかフォーマルでないか)を選ぶことで、トーンが決定されます。
一方ボイスは、誰が書いている文章なのか、つまりコンテンツに暗黙的に含まれているペルソナを指します。その人の人格や個性を表現する固有のものであり、書き手によってボイスは異なってきます。
例として、オーストラリア政府のスタイルガイドでは、政府のコンテンツ発信における適切なトーン&ボイスを以下のように説明しています。
<トーン>
・フォーマルとインフォーマルの中間にあたる標準トーン(スラングを使用しないが短縮形や人称代名詞を使った親しみやすいトーン)を適用する
・二人称("you")を用い、能動的で直接的に表現する
<ボイス>
・敬意を表する(包括的な言葉・日常的な言葉で、人に話しかけるように表現する)
・明快で直接的(平易な言葉で簡潔に書く)
・客観的で公平(事実に基づき、意見や偏見を含まない)
読み手は文章のトーン・ボイスを通してコンテンツ発信者の印象をイメージするため、適切なトーン・ボイスを選び統一しなければ、読み手が不信感や読みづらさを感じてしまいます。上記のような政府のトーン&ボイスは様々な場面で適用しやすいですが、読み手に与えたい印象を明確にした上で適切なものを選ぶ必要があります。
オーストラリア政府のスタイルガイドには、ブログ、メールや手紙、フォーム、雑誌、新聞、PDF、ソーシャルメディアなど、コンテンツの形式に応じて適応すべき文章のルールを紹介しています。その中からユーザーのニーズによって最適なコンテンツの形式を選び、該当するルールに従うことが要求されています。例えば、ソーシャルメディアであるTwitterに関しては、以下のようなルールが記されています。
・リアルタイムのコンテンツを発信するプラットフォームであるため、リアルタイムの出来事やニュースを発信する。
・文字数に制限があるため、一つのアイデアを短く注目を集めるような文章で書く
・ハッシュタグが多いとコンテンツが読みづらくアクセスもしづらくなるため、ハッシュタグを2つ以内で使用する
コンテンツにアクセスする際に経由した媒体や普段よく使っているメディアはユーザーによって異なります。各コンテンツの形式ごとにあった書式タイプを用いることによって、そうした幅広い読者の一連の体験をより良くすることにつながります。
公用語が2つあるカナダでは、コンテンツを英語とフランス語両方で公開する義務があります。そのため、この国のスタイルガイドでは多言語対応のコンテンツを作る上で以下のような規定が示されています。
・文章は正式な翻訳を用いる
・固有名詞(地名や機関名)は英語とフランス語両方の表記法を反映させる
・イメージ、マルチメディアファイル、トランスクリプトを二カ国語対応にする、もしくは情報を同等に提示する
自動翻訳を利用してコンテンツの多言語対応を行ってしまうと、文法や表現が正しく翻訳されない場合が多く、アクセシビリティの観点からも不適切です。また、ただ文章を翻訳するだけでなく、その言語が持つ特徴や文化に応じたコンテキスト、翻訳後の文字量やレイアウトにも配慮する必要があります。
すべてのスタイルガイドにおいて、ビジュアルコンテンツはユーザーにとって本当に役に立つ場合にのみ限定的に用いるようにという指示がされてます。なぜなら、その利用にはメリットとデメリットが両方含まれており、効果を発揮する状況は限定的であるからです。ビジュアルコンテンツが持つ効果と注意点について、以下のように各スタイルガイドによって様々な見解があったのでご紹介します。
オーストラリア政府のスタイルガイドでは、以下の場合にのみビジュアルコンテンツの効果が発揮されるとしています。
・重要なメッセージを強調できる
・情報が理解しやすくなり、タスク完了の手助けになる
・動画や音声のみのコンテンツにより、人々がすぐに知る必要のあることや複雑なトピックをより短時間で伝えられる
一方ビジュアルコンテンツを使う注意点としては、以下の点が挙げられています。
・画像は拡大するとピクセル化し、縦横にスクロールする必要がある(イギリス)
・画像は人々の注意をそらしたり、ページの読み込みに時間がかかったりする場合がある(カナダ)
・音声や動画にトランスクリプトがなければ、障がいがある人、スピーカーやヘッドフォンなどの機器を持っていない人、大きなファイルをダウンロードしたくないという人はそれらにアクセスできない(カナダ)
画像や動画の効果は環境によっても左右されるため、まずは文章だけで情報を理解したりタスクを完了したりできる状態のコンテンツを作り、後からアクセシビリティを担保したイメージや動画を補助的に使うことが求められます。
オーストラリア政府とカナダ政府のスタイルガイドでは、コンテンツを公開する前に行う校正・校閲の方法を説明しています。文章や表記、内容の誤りを発見して修正し、最終チェックを行うことは、わかりやすいコンテンツを作る上で重要な工程になります。
オーストラリア政府のスタイルガイドでは、校正・校閲作業が以下のように三段階に分けて説明されています。
①Substantive Editing:原稿が完成した時点で、内容、意味、構造、表現を見直す。
・文章の長さをチェックし、複雑な単語をより単純な言葉に書き換える
・情報の流れやナビゲーションを再編成して改善する
・コンテンツ内の矛盾や削除可能な情報を確認する
・トーンとボイスを一貫させる
②Copy Editing:Substantive editingのあとに、表記の統一や文章の正確性を見直す。
・スタイルシート(表記やスペルを統一させるための単語リスト)に沿って言葉や表記の誤りを修正する
・参考文献や引用のスタイルを、指定のものに統一する
・画像やイラスト、表、リンクなど文章以外の要素の問題を確認する
③Proof Reading:原本と公開用の文章を比較し、最終チェックを行う。
・原本と異なる文章の内容、間違い、欠落を見直す
・画像やイラスト、表、リンクなどの要素の欠落や配置の誤りを見直す
・スタイルシートと反するスタイル、スペルや文法の誤りを見直す
誤字脱字や間違った情報発信は、読み手からの信用を損ないます。後からの修正や変更記事の公開にかかるコストを減らすためにも、公開前に慎重にコンテンツを見直すことは大切です。カナダ政府のスタイルガイドには校正・校閲作業で見直すべきポイントを表にしたチェックリストを掲載しており、そのようなチェックリストを用いることで漏れなく質の高い校正・校閲を行うことができます。
コンテンツ変更の通知とは、ページの情報を追加、変更、または削除する際に作成するものです。変更記事は購読者にメールで送信されるほか、変更が行われたページで変更日時とともに公開されます。イギリスのスタイルガイドでは、コンテンツを変更・追加することで以下が発生する場合に、コンテンツ変更の記事を公開する必要があるとしています。
・ユーザーが何か違うことをしたり、新しいことを知らなければならない場合
・古くなったり、誤解を招くような情報を削除する場合
・料金や期間に関する変更を更新する場合
スペルミスやレイアウト変更といったわずかな変更である場合は、変更記事を書く必要はありません。
変更記事の文章を書く際には、以下のことに注意する必要があります。
・スタイルガイドの規定に従う
・変更されたという事実だけでなく、何が変更されたのかを説明する
・変更した一部分だけ書くのでなく全体を完全な文章で書く
変更内容によってはユーザーに何らかの負担がかかることも考えられ、ましてや重要な情報が変更されたことに気づかない、変更内容が理解できないという事態は、ユーザーを混乱させてしまいます。変更があるときこそ、十分に配慮してわかりやすい情報発信を心がける必要があります。
本記事では、イギリス政府、オーストラリア政府、カナダ政府が公開しているスタイルガイドを参照し、誰にでもわかりやすく伝わる文章を書く方法について紹介しました。全国民に向けてコンテンツを発信する政府のスタイルガイドだからこそ、普段私たちがわかりやすい文章を書くために参考にできる点が多くありました。もちろん、上記で紹介したのは英語の文章を書くための規定であり、日本語でわかりやすい文章を書くためには日本語ならではの特徴も加味する必要があります。ですが、幅広い読み手のニーズを理解し、あらゆる人への配慮を持って文章を書くという今回紹介したスタイルガイドすべてに共通する考え方から、私たちが学べることは多くあるのではないでしょうか。
写真や動画などビジュアルを中心とする情報発信がますます定着していますが、誰もが理解できるコンテンツを作るためにはわかりやすい文章を書くことが最も基本であり、今後も重要なスキルだと言えます。ぜひ参考にしてみてください。