Betterbound「YARIKIRI」|UIUXデザインプロジェクト実施報告レポート

ANKR DESIGN
2022-07-07

アンカーデザインは、2021年から現在まで、株式会社Betterboundが開発するミドルマネジメント自動化クラウドシステム「YARIKIRI」のUIUXのご提案と、改善ミッションに協力させて頂いております。本レポートでは、プロジェクト背景やプロジェクトの流れについてご紹介します。

プロジェクト背景

アンカーデザインでは2021年より、「YARIKIRI」のUIUXデザインの改善の協力をしています。「YARIKIRI」は現場と経営層の結節点であるマネージャー層を活性化することで、チームとしての一体感や各メンバーの自律を実現し、成果や成長に向けてメンバーの行動変容を促進するシステムです。元々は2〜3ヶ月に1度の振り返り調査を通してメンバー層の状況を様々な立場の同僚が把握し、成果につなげていくシステムでした。協業の初期段階では、クライアントの皆様にとって使いやすいシステムを目指すために、Betterbound様と一緒にUIUX改善を行っていました。しかし、その中で「改善計画をメンバーの日々の実務行動に落とし込む」ことが顧客のニーズとして顕在化していきました。この方針を反映するために、Betterbound様はメンバー層とマネジメント層のコミュニケーションに更に特化したUIUXへの抜本的な変更を実施することとし、アンカーデザインからはより顧客のニーズを反映させた新しいUIUXのご提案をさせていただきました。

プロジェクトの流れ

  1. バリュー・プロポジション・キャンバスの作成
  2. ユーザーストーリーをベースに仕様を共有
  3. プロトタイピング
  4. UIデザイン、実装

1.バリュー・プロポジション・キャンバスの作成

まずは「YARIKIRI」のシステムを把握するためにジャーニーマップの作成などを行い、文脈理解を深めました。その上でターゲット顧客の状況を把握するために、バリュー・プロポジション・キャンバスを作成して頂き、ターゲットユーザーである組織のマネジメント層とメンバー層のニーズや状況とプロダクトの狙いを可視化しました。

プロダクト「YARIKIRI」のサービスの方向性をチームで認識できた次に、プロダクトの必要機能について、マネジメント層からメンバーへのコミュニケーションを活性化するために、どのような機能が必要かを検討しました。

検討の上で、 日々のタスクや課題に対して進捗管理と、マネージャーとのコミュニケーションをはかる“ゴールとアクション” 機能、その課題に対して、言葉でコミュニケーションをとるための“1on1”機能、メンバーの日々の業務に対して、大きな周期で定期的にアンケートをとる“フィードバック” 機能をミニマム機能として、初期搭載することにまりました。

2.ユーザーストーリーをベースに仕様を共有

続いて、実際のUIUXデザイン改善案を提案する前に、ユーザーストーリーを通して必要な機能を書き出し、Betterbound様と一緒に仕様の擦り合わせを行いました。

ユーザーストーリーは、各権限のユーザーが、各画面において、何ができて何ができないかの行動を細かくテキストに起こすことで、チーム全員が詳細の仕様を理解することができます。

3.プロトタイピング

作成したユーザーストーリーを元に、アプリの簡易なワイヤーフレーム・プロトタイプを作成し、仕様の検証を行いました。プロトタイプでの仕様検証・ブラッシュアップを何度も繰り返し行っていくことで、アプリの中に新機能をどのように搭載するか検討していきました。

4.UIデザイン、実装

プロトタイピングによりアプリのデザインの方向性が見えてきた後に、実際のUIデザインを作成しました。

これらのプロセスを経て、2022年5月より新機能である「ゴールとアクション」「1on1」「フィードバック」を実際のアプリに搭載し、バージョンアップされた「YARIKIRI」の試験運用が開始されました。

終わりに

今回のプロジェクトでは、バリュープロポジションマップを作成したことで、サービスが特化すべき点が分かり、ユーザーストーリーで仕様を可視化したことで、実際に必要なデザイン変更がどの程度であるか見えてきました。また、プロトタイピングを通して仕様検証を早いスピードで繰り返し行うことで、ユーザーにとって使いやすいUIUXデザインを検証できました。リニューアルされたシステムでは、メンバー層とマネジメント層が手間を最小化する形で、具体的な振り返りやフィードバックを評価サイクルに囚われずに短い間隔で繰り返し行うことが可能となりました。リモートワーク下においても、チーム全体の状況が把握しやすくなっただけでなく、改善をより素早く行動に取り入れやすくなり、組織の成長をより加速させるサービスへと推進されました。

担当者様からのコメント

このたびは、弊社プロダクト「YARIKIRI」のリニューアルにあたり、ご助力をいただき誠にありがとうございました。
「まずは短期間で最小限のものを作る」という方針を理解いただき、持ち前のご経験と知見を動員いただきながら、まさに文字通りのゼロからイチを一緒に作り上げる上での伴走パートナーとして、非常にお世話になりました。

木浦さんはもとより、実務面にて手を動かすことを含めて汗をかいていただいた梅村さんに対して、改めて感謝申し上げます。引き続き、必ずしもデザインの枠内にとどまらない目線で色々とヒントをいただけますことを、今後とも楽しみにしております。

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