アンカーデザイン代表:木浦が2021年10月9日に『「気概」と「実践力」のビジネススクール』(KSP:かながわサイエンスパーク主催)におけるカリキュラムの1つとしてデザイン思考のワークショップを実施させて頂きました。
ビジネスイノベーションスクールとは?
https://www.youtube.com/watch?v=mDSlPZgRT8E
かながわサイエンスパーク(KSP)は都心から約20分圏内という好アクセス、先端企業や研究機関等の高度集積エリアに立地する日本初の都市型サイエンスパークであり、イノベーション人材の育成を目的にしたイノベーションスクールを毎年開催しています。
スクールのカリキュラムとしてはDXについて、共感創造、知財についてなど、さまざまな内容のものが提供されており、その中の1つとしてアンカーデザインの代表木浦が「デザイン思考」の講義・ワークショップを担当しています。
『ビジネスイノベーションスクール』の受講者は大企業からスタートアップの方々まで幅広く、各参加者はこれまでのスクール講義を通して、各自の事業アイデアを練り上げた状態で今回のワークショップに参加して頂いています。
本ワークショップのねらい
大企業やスタートアップなど企業規模に関わらず、新しい事業やプロダクトを創出し、イノベーションを創出するために必要なことは、人々にとっての価値(Desirability)実現可能性(Feasibility)、成長可能性(viability)のバランスを取ることです。
デザイン思考は、人々にとっての価値を重視し、人々にとっての価値の観点からプロダクトを検討する手法です。デザイン思考と言うと、ゼロイチでのアイデア発想や、ポストイットを使ったワークショップをイメージされがちですが「人々にとっての価値を見つけ出す」こともデザイン思考における重要なポイントです。
KSPのビジネスイノベーションスクールでは、本ワークショップ実施までに各参加者それぞれが事業アイデアを育み検討を進めております。本ワークショップでは人々にとっての価値の高いプロダクトを創出するための手法や考え方を参加者の方々にお伝えし、ユーザーを中心に据えた考え方を活用することによって各参加者の事業アイデアを今後さらに良いものとして頂くことをねらいとして設定させて頂きました。
ワークショップの構成
今回は、デザイン思考を理解して頂くための講義+ワークショップ(5h)と構成させて頂きました。
バイアスについて
私達は皆、何らかのバイアスを持っています。バイアスを持っていることで様々な判断や行動をスムーズにできるようになるメリットもありますが、バイアスがあることによって判断を誤ってしまうこともあります。
特に、新規事業創出のフェーズにおいてプロダクトのアイデア考えるときはバイアスが良くない影響を与えることも珍しくありません。そこで本講義では、各チームでディスカッションしながら事業アイデアの中に、どのようなバイアスが含まれているかを検討しました。本ワークでは検討対象の事業アイデアをファシリテーター側で用意させて頂き、そのアイデアに対してディスカッションをして頂きましたが、各参加者自信のアイデアについても同様に様々なバイアスが含まれている可能性があります。それらバイアスについて、客観的に評価し、アイデアを検討していく必要性についてお伝えしました。
仮説整理・検証
各アイデアの中に含まれるバイアスは仮説と呼ぶこともできるかと思います。仮説は、それが正しい場合もあれば間違っている場合もあります。そのような状態でプロジェクトを進めることはリスクが高いと言えますので、プロジェクトの進捗に合わせて不確実性を削減していくことが必要となります。
とはいえ限られた時間やリソースの中ですべての仮説を検証してくことは実際には困難です。そこで、プロジェクトの中にどのような仮説があるかを洗い出し、それぞれの不確実性やリスクを評価しながら、どこからどのように検証を進めるかを見極めることが重要となります。
本セクションでは、各参加者の事業アイデアを構成する様々な仮説を洗い出し順序を付けていくことによって、どの仮説から順番に検証していくべきかについて、また検証の方法としてはどのようなものがあるのかについてご紹介しました。
インタビュー
仮説を検証するための方法は様々なものがありますが、代表的なものとしてインタビューがあります。インタビューとは言ってしまえば「人に話を聞く」という非常にシンプルな行為で、様々な情報を得ることができるパワフルな手段でもありますがそこには様々なテクニックがあります。
本セクションではインタビューの考え方と、その準備方法、例えば何のためにインタビューをするのか、誰に対してインタビューをすれば目的が達成されるのか、どんなことを聞けば得たい情報が得られるのかなどの検討ついてワークを通してご説明させて頂きました。
おわりに
本ワークショップではデザイン思考の全容というよりは、自分のアイデアから検証すべき箇所を見つけ出し、いかにして検証するかについてにフォーカスをあてて扱いました。弊社ではワークショップ・講義を実施する際には、実施先でのニーズや要望に応じてカリキュラムを設計してご提案させて頂いております。このような部分についてフォーカスして、あるいはこのような目的でワークショップや講義を設計して欲しいなどのご要望がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。